甲武信鉱山採集行 その1
10月22日(土)から23日(日)にかけて、長野県川上村にある甲武信鉱山に行ってきました。
そう、あの有名な日本で唯一「合法的に?」採集が出来る甲武信鉱山です。
ほかの採集が違法かといえばまあ微妙ですが、
この鉱山は地主さんに入山料を払って採集するという意味で、極めて先進的で合理的な産地として、鉱物マニアの間では有名です。
鉱物採集という趣味においてモデルケースになる産地です。
鉱物採集は、誰の土地だかわからんところで採集させていただくケースが多く、違法か合法かといえば極めてグレーな趣味です。まあ、結局は程度問題で、大目に見てもらっているパターンが多く、今まではそれで大した問題もなくいっていたのですが、近年は大規模に採集する輩(採集というより採掘に近いことをやっている人もいるらしい、こういう輩はえてして水晶やトパーズ、アクアマリンといったヒカリモノ系を嗜好する鉱物マニアに多い)が増えてきて、地主との間でトラブルになるケースがあります。
鉱物採集している際に地元の人に会って話しかけてみてら地主さんでした、ってパターンもあるんですが、多くの場合は事情を説明すると快く採集許可を頂けます。たまに、ここよりもあそこのほうが採れるから行ってみなさい、なんて言われることもあります。
まあ、実際には人に会うことは稀で、山奥ですとどこまでが誰の土地だかわからないのが実状です(地主さん自体も把握していない場合もある、役所に行って登記簿見てもよくわからんことが多いらしい←地主と連絡を取ろうと実際にやったひともいるそうな…)。
まあ、山を荒らさない程度でやれば問題は起きない、ってのがぼくら鉱物採集家の一応の認識です。
そんななか、甲武信鉱山は「地主さんに入山料を払えば採集を自由にしていいですよ」って、地主さんの側から条件を提示してくれる現在の日本で唯一の産地です。
その地主さんってのは、湯沼鉱泉という旅館?を経営している社長で、この湯沼鉱泉に宿泊すれば入山料自体も免除されます(泊まらない場合の入山料はひとり1000円)。
オイラたち一行(大佐、軍曹、マニー予備役大佐改め「若社長」、オイラの4名)は、湯沼温泉に一泊して甲武信鉱山で採集すべく、湯沼温泉に向かいました。
長野県川上村
http://www.vill.kawakami.nagano.jp/index.html
http://www.vill.kawakami.nagano.jp/kanko/04_access.html
http://www.vill.kawakami.nagano.jp/kanko/index.html
当日のの天候は、予報では雨。翌日曜日も雨。
こりゃ下見だけで終わるかな、と半ば諦めながらの朝7時頃、雨が降りしきる中、出発しました。
川上村は埼玉県との県境近くに位置する長野県の村です。仲間とは野辺山の小海線最高地点近くにあるレストランで待ち合わせ。
オイラの家はさいたま市にあるのだが、
東松山から関越道にのって上信越道経由で行くか、
川島から圏央道を通って中央道経由で行くか、迷った末、
上信越道経由で行くことにしました。
雨のためか、道はスイスイ、8時半には長野県の佐久平サービスエリアに到着。
佐久平サービスエリアに着く頃には雨は上がっていました。とはいえ雨ベースの天気予報だからねぇ・・・。
上田佐久JCTから、建設中で途中まで開通している中部縦貫道の無料区間を経て、佐久南インターで高速道路を下りました。
ここからは国道をひた走り南下します。
この国道が意外と交通量が多くて、なんやかんやで1時間以上かかって、野辺山の集合場所に到着。
上信越道経由は下走りが長すぎるので、帰りは使いたくないなぁ・・・
<雨の小海線最高地点(野辺山付近)>
午前11時に「レストラン最高地点」で仲間たちと合流。
早めの昼ご飯を摂りました(この時点で小雨)。
昼ご飯を摂りながら、今日はどうしようか、という相談になったが、
とりあえず湯沼鉱泉にチェックインしてその時点で雨が降っていなかったら貯鉱場に行き、降っていたらまた考えよう、ということになりました。
12時すぎにレストランを後にし、湯沼鉱泉に向かいます。
この頃には雨も上がり、雲の切れ間から日も差してきて、午後はひょっとしてひょっとするかもしれません。
ほどなく、湯沼鉱泉に到着しました。
<湯沼鉱泉>
<湯沼鉱泉で飼われている川上犬>
<湯沼鉱泉の全景>
湯沼鉱泉
http://loco.yahoo.co.jp/place/d9594385e41adb4e8b4af5bdc385b54597507917/
http://plaza.rakuten.co.jp/kedamaseibutu/diary/200906130001/
1泊6500円という破格の安さからも想像できる佇まい。まあ、こんなもんでしょう。
湯沼鉱泉に着く頃には、雨はすっかり上がり、貯鉱場へは行けそうです。
荷物を置いて身支度を調えて、湯沼鉱泉の社長に産地の状況を大雑把に聞いた上で、産地に向かいました。
産地へは湯沼鉱泉からクルマで10分程度、林道でクルマがなんとか入れるところまで行きます。
轍がすごくてちょっと厭なダート道を経て、クルマを駐めました。
ここからは徒歩ですが、貯鉱場はすぐそこ。
川向こうにあるので、徒渉をしなければなりませんので、長靴は必須アイテムです。
林道をあるき、途中から林に入り、徒渉場所を探します。
仲間のマニー予備役大佐のいでたちは、まさに地場ゼネコンの若社長か、視察にきた国交省のキャリア官僚のよう・・・。
彼を「若社長」と呼ぶことにしましたwww
しばらく歩くと、倒木で橋が架けられていました。そういや湯沼鉱泉で社長が言ってたわいな。このことか…
ただ、雨が降った直後で川は増水しており、渡るのにちょっと躊躇します。
橋の上流に行き、下流に行きながら、徒渉場所を探しますがいい場所はみつかりません。
しびれを切らし、オイラは橋を渡ることにしました。
ちょっと怖いが、まあ渡れないことはない。向こう岸で待っていると、仲間達もこれにつづきました。
この橋を渡るのがこの日のメインイベントとあいなりましたwww
渡ってすぐに貯鉱場があるのだが、スカルン鉱物がザクザクです。
さすが名高い甲武信鉱山、出てくるものも日本離れした大きさ・・・
※「貯鉱場」とは
→鉱山が稼業していたときに掘り出した鉱石をストックしていた場所のこと。閉山後はそのまま野ざらしにされて鉱石は放置されることが多く、こういったところで鉱物採集すると効率よくその鉱山の鉱物を採集できる。
スカルン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%B3
http://kotobank.jp/word/%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%B3%E9%89%B1%E7%89%A9
http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/html/kyo/chisitsu/gifunochigaku/rocks_and_minerals/skarn_minerals/index.html
ただ、ホセ鉱とか自然金とかそういった稀産鉱物は結局採れませんでした。
つうか、金属っ気がほとんどないんだわいな・・・
塊状の硫砒鉄鉱は少しは見かけたが、その程度・・・
ホセ鉱
http://www.weblio.jp/content/%E3%83%9B%E3%82%BB%E9%89%B1
http://www.weblio.jp/content/%E3%83%9B%E3%82%BB%E9%89%B1%EF%BC%A2
自然金
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E9%87%91
ちょ〜有名な場所なので、もうすでにあらかた採られちゃったんでしょうかねぇ・・・
某同○会でも採集会をしたぐらいですからねぇ・・・。
ひとしきり採集して、暗くなってきたので撤収しました。
帰りのあの橋を渡らなければ・・・
ちょっとしたアスレチックで面白いです。www
つづく
甲武信鉱山採集行 その2
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20111103