ロバのコラム

『ロバのティールーム 』 https://www.robanotearoom.com のコラムです。

札束採集@東京ミネラルショー

ハンマー代わりに札束片手に鉱物採集に行ってきました。
これを札束採集と言います。
つまり、展示即売会で標本を買ってきたってことね。
まあ、いつも標本を買いに行くときは、日記の出だしが同じだなぁ〜
前回はこれ↓

2009年6月8日の日記
「札束採集に行ってきた」
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20090608

今回は「第18回東京ミネラルショー」です。
http://www.tokyomineralshow.com/index.html

この展示即売会は、毎年この時期に開かれます。
去年も行ったよ。
その時は父が池袋の病院で死の床に伏していて、見舞いがてら、サンシャインのミネラルショーを覗いて、その足で病院に行ったっけ。
その3日後の父は旅立ったんだよなぁ(その時はそんなにすぐに死ぬとは思わなかったな)
それはそれとして…

今年は、会場のサンシャインシティ文化会館に14時頃到着。
現地ついたら、入場券を買うのに長蛇の列!!どんだけ〜!!

10分くらい並んだかな?
そしてチケットを購入。4月からまた通信の学生をやってるんで、学割で買えました。
チケット売り場はこんな感じ。

そして会場内へ。
うわっ!すげ〜混んでる。



つうことで、広い会場内を端から順繰りまわったんですが(パンフレットによると国内201社、海外74社が出店しているらしい)、まあぼくの購入の対象となる


・出所がはっきりしていて(ラベルがついてる)
・主に国内標本


となると自ずとお店が絞られます。まあ10店くらいかな。
とにかく、宝石だの、パワーストーンだの、カッティングしたものだの、ヒマラヤのでかい水晶だの、そういったもの全てがフェアの対象となるお店ですので(あ、あと化石もね)、出店者も様々だがお客も様々です。それぞれの好みにあったお店にみんな向かいます。

18時ぐらいまで、正味3時間強で買った石は以下の通り。


1.異極鉱 hemimorphite 木浦鉱山

化学式は、Zn4Si2O7(OH)2・H2O。亜鉛の珪酸塩って感じだね。亜鉛の二次鉱物です。九州は大分県木浦鉱山の典型的な産状のヤツ。図鑑にも載ってる超有名なタイプですね。まあベタですが、とってもお買い得な価格でしたので買いました。


2.斧石 axinite 尾平鉱山

これもベタ中のベタ。ちょ〜有名な大分県尾平鉱山の斧石。
斧石には鉄斧石とマンガン斧石があるんだが、尾平の場合はほとんどマンガン斧石らしいし、色合いからもマンガンっぽいんで、
マンガン斧石 manganaxinite Ca2MnAl2BSi4O15(OH)つうことで。
ラベルには斧石としか書いとらん。
益富地学会館さんで売っていたんだけど、これもビックリするぐらい安かった。売り子のおじさんに聞いたら、
「すごく安いよねぇ〜。だけど出品者がこの値段でいいっていうからこれで売ってるんだよ〜」
みたいなことを言ってた。ある採集家からの委託販売らしい。


3.黄銅鉱 chalcopyrite ・ 重晶石 barite / 尾去沢鉱山

化学式は、黄銅鉱 CuFeS2 、重晶石 BaSO4 。
これも往年の名鉱山、秋田県尾去沢鉱山の一品です。
黄銅鉱の結晶がやや大きく、重晶石もついているということで購入しました。
同じようなもので、これより結晶がずっと大きいがあったのですが、そちらは1万越えでしたので手が出ません。こっちはそれにくらべてずっとリーズナブルな金額でした。

ちなみに尾去沢鉱山は一般公開されています。以前はマインランド尾去沢って名前だったんだけど、経営がかわったのかな?
2006年10月に青森に行ったときに、観光で坑道に入ってきました。

尾去沢鉱山サイト
http://www.osarizawa.jp/


4.黄鉄鉱 pyrite ・ ドロマイト(苦灰石) dolomite / 秩父鉱山(道伸窪鉱床産)

化学式は、黄鉄鉱 FeS2 、ドロマイト(苦灰石) CaMg(CO3)2 。
秩父鉱山と言うことで買ってしまった。これは買わなくてもよかったかな…。
道伸窪鉱床なので、いつも行く六助や大黒とはちょっと毛色が違う。


5.閃亜鉛鉱 sphalerite  秩父鉱山(大黒鉱床)

化学式は、(Zn,Fe)S 。
亜鉛鉱買っちまったぁ〜、どんだけ〜。
大黒の閃亜鉛鉱で、わりと結晶が大きくてキレイだったんで買ってしまった。
でも、真っ黒の鉄閃亜鉛鉱なんだよなぁ
ホントは茶色とかグリーンとかのべっこう亜鉛が欲しいんだが、高くて手が出ません。


6.コバルト華・タルメス石 / モロッコ Bou Azzer mine

化学式は、コバルト華 Co3(AsO4)2・8H2O 、タルメス石(タルメサイト) Ca2Mg(AsO4)2.2H2O 。
これだけ外国産です。砒酸塩は色がどぎつくてキレイですね。
毒々しいとはまさにこのこと。

このほか、3個1000円シリーズをしこたま買ってしまいました。


7.3個で1,000円(その1)

・黄鉄鉱 /和賀仙人鉱山
 化学式は、 FeS2 。
 東北の和賀仙人鉱山の産。やや大きめだったんで購入。
 和賀仙人鉱山は鏡鉄鉱で有名な産地です。

・輝水鉛鉱 /平瀬鉱山
 化学式は, MoS2 。
 モリブデンの鉱石。岐阜の平瀬鉱山はモリブデンで有名でした。
 ちなみにモリブデンは日本語では水鉛といいます。
 輝安鉱(アンチモニー)は割と立派なの持ってるんだけど、モリブデンの鉱石は
 しょぼいのしかなかったんで、購入。

・武石 /長野県武石村
 褐鉄鉱化した黄鉄鉱。黄鉄鉱の仮晶です。仮晶つうのは、前の結晶構造のまま
 、他の鉱物になってしまったものをいいます。つまりこの武石は、形は黄鉄鉱
 なのに実は褐鉄鉱っていうもの。この産地もちょ〜有名なところ。
 ※褐鉄鉱 FeOOH 、 黄鉄鉱 FeS2 。


8.3個で1,000円(その2)

・逸見石 /布賀鉱山
 化学式は、Ca2Cu(OH)4B2(OH)8 。
 この石も有名。布賀鉱山って言ったら逸見石ってなぐらい。
 そりゃそうだ、ここで世界で初めて発見されたんだもんねぇ。
 元岡山大学教授の逸見吉之助博士にちなんで名付けられたそうな。
 1個欲しいと前から思っていたので、買いました。

・重晶石 /勝山鉱山
 化学式は、BaSO4、つまり硫酸バリウムね。あの検診の時に飲むやつと同じ。
 これはなんとなく買った。
 
・緑鉛鉱 /神岡鉱山
 化学式は、(PO4)3Cl 。これもなんとなく。
 神岡鉱山の緑鉛鉱もちょ〜ベタ。


9.3個で1,000円(その3)

・灰鉄石榴石 /水晶岳
 化学式は、Ca3Fe3+2(SiO4)3。
 これも結晶面がキレイだったので、何となく買った。

・日本式双晶(水晶) /五島列島奈留島
 化学式は、 SiO2 。石英の単結晶ね。
 日本式双晶でちょ〜有名な産地。持っていないので、一応1つということで。
 日本式双晶っつうのは…、やめた説明すると長くなる、適当にググってくれ。

・まりも水晶 /尾平鉱山
 化学式は、 SiO2 。石英の単結晶ね。
 これもちょ〜有名なやつですねぇ。
 「鉱物コレクション入門」にも載ってます。
 水晶のなかのまりもの正体は、緑泥石族のクーク石 LiAl4(Si3Al)O10(OH)8
 らしい。
 鉱物の中に他の鉱物がはいる現象をインクル石ージョンといいます。


ま、こんな感じです。


そして18時にmixiの「鉱物採集会(関東版)コミュ」の皆様と会場の入口で待ち合わせて、そして飲み会へ!!
この飲み会がまたディープな石オタ飲み会と化しました、あ〜くわばら、くわばら。
飲み会については、また書きます。

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