ロバのコラム

『ロバのティールーム 』 https://www.robanotearoom.com のコラムです。

細木数子って何者?

昨日の晩、ゴハンを食べてるときにウチの嫁はんがテレビ見てまして、それが細木数子と女子高生やら学校の教師やらと対決させる、というスタイルの番組でした。
うちの嫁はんは細木数子の歯に衣着せぬ言い回しが自分の生き方に似てるから、わりと好きみたいなんだけど、どうもオイラは胡散臭さを感じずにはいられない。
占い師なんだろうけど、彼女の回りにはどうも黒い噂がつきまとっているみたいだし...。
ちょっとネットで調べても死にそうでボケた元参議院議長に財産目当てで言い寄って結婚したりだとか、なんかかなりのタマなのは確かです。なんか詐欺師っぽいし...
ただ、そのような色眼鏡を外して見たときやはり彼女には実力があるのだな、と確信しました。カウンセラーとしては天才的です。
彼女の言い回しの基本は「正論」です。正論をごり押しで通す。正論はもっとも強いですから、誰も反論できません。ただこのように正論を通せるところに彼女の強さがあります。多くの人は臆病さから正論を通せません。精神的に強い人であってもあらゆるしがらみとか自分の立場のためにここまですがすがしく正論は通せない。ここに彼女の人気の秘訣があるのでしょう。
彼女にはお金は山ほどあるし、どこかに媚びへつらわなければならないほど社会的地位が低くない。むしろ彼女は社会的ヒエラルキーの外にいるから関係がないと言ってもいいのかもしれない。細木という独自の概念を作り出しているのだから...
さて、彼女の言い回しを見ているうちに彼女のテクニックを見いだしました。彼女は相手を必ず自分の土俵に引き込みます。あらゆる手を使って。その手は同情であったり脅しであったり相手の自尊心を手玉に取ったり様々です。そしてその手に乗らない人間はきっぱりと拒絶します。つまり自分の土俵に上がらない人間とは決して話をしません。
つまり彼女と対話(対話と言っていいのかは置いといて)をする人は常に彼女のホームで戦わなければならない。つまり対話者はアウェーでの討論を強いられるのです。
これでは勝ち目がない。先日同じような番組でHGというハードゲイを売りにしている芸人を細木に当てたんだけれども、彼女は全く相手にしませんでした。HGは何とかして自分のフィールドの彼女を引き入れようとしたが、結局格の差を見せつけられただけでした。きっとプロデューサーに言われたんだろうね、細木のスタイルを崩せ、と。その方が番組的には面白いからねぇ。
まあ、どっちにしても細木天下はまだまだ続きそうだ。過去の胡散臭さはともかく彼女の正論トークが少なくとも社会に対していい方向に働くことを願っています。


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