ロバのコラム

『ロバのティールーム 』 https://www.robanotearoom.com のコラムです。

レポート提出完了!<その2>

昨日のつづきです。
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20100303


で、明治の中頃の政治状況について記述することにしたんだが、明治時代のことを実は大雑把にしか把握していなかったことに気がついた。まあ高校の時とかは世界史選択だったし、独学で日本史勉強したときも近代よりも前のことが多かったんで、ほんとに大雑把な流れしか知らないんだよねぇ〜。事件とか戦争とかの位置づけとかは把握してるけど、その時の総理大臣は誰で○○内閣の時だった、まではちょっとわかんなかった。

つうことで、明治時代中期の空間把握のためにとりあえずこの本を読んでみた。


御厨貴著「日本の近代 3 明治国家の完成―1890〜1905」、中央公論新社刊、2001
http://www.chuko.co.jp/zenshu/2001/05/490103.html


この本、判りやすいんだよなぁ〜。
全体の流れ、空間把握ができたのはもちろん、この時代の雰囲気が何となく伝わる書き方してるんだよねぇ〜。この御厨さんの書き方がうまいんだろうか…
って、感心して読んでたら、最近、この人「爆門学問」に出てたんだねぇ〜


http://www.nhk.or.jp/bakumon/previous/20100209.html


知らんかった。
うちのHDレコーダに番組が録画されてて、それ見て気がついた。爆門学問は毎週録画しているもんで。だけど最近見る時間がなくて貯めがちです。
見たいんだが、まだ見てません。

あと、もう1冊。
これはこの科目の参考文献に上がっていましたが、

林茂・辻清明編「日本内閣史録(全六巻)」第一法規、1981

この本はスゴイね。明治18年の第1代伊藤内閣から第70代鈴木内閣までが、各内閣ごとに全て記載されているというすぐれもの。この内閣ではどんな問題が起きたのか、どんな法案が通ったのか、なぜ崩壊したのか、が事細かに書かれています。
レポートに必要な時期を記載している2巻と3巻を図書館で借りてきたんだが、読んでいるうちに欲しくなってしまって、ヤフオクで6冊セットを購入してしまいました…


さて、明治10年代後半(第1代の第一次伊藤内閣あたり)から明治30年代(第11代の第一次桂太郎内閣の前あたり)にかけての日本国内の政治を俯瞰してみて一番印象に残ったのは、伊藤博文のスーパー政治家ぶりです。
いやぁ、スゴイ人ですね、伊藤博文さん。こんなスゴイ人だとは思わんかった。明治時代で一人政治家を挙げるとしたら、伊藤博文を選びますわ、わたしゃ。

伊藤博文さんは空気を読む天才です。彼はその時代の空気を読んで、先読みして、必要に応じて、ささっとポリシーを変えちゃうんです。しかも実行力がすごい。
ます、明治維新後も20年も経つと、民意を受けて、さっさと内閣制度、憲法、議会を作っちゃった。
そして、内閣もはじめは薩長のバランスを考えて、組閣したし。
議会の行政への影響を最小限にするために、議会や政党の意見に政府は左右されない、とした超然主義を唱えたかと思えば、
政党の影響力が無視できないと悟るやいなや、自分で政党を組織しようとするし…。
政党勢力が強くなって自己の内閣が維持できないと思えば、さっさと辞職して、その対抗勢力の政党の大隈・板垣に「そんなに言うならあんたたちが組閣しなさい」といって、さっさと超然主義を捨てちゃうし…
スゴイです。
常に大局見て物事を判断しています。

ただ、尊敬できるかどうかは別問題ですが、少なくとも彼がいたおかげで、なんとなく日本が近代国家の仲間入りをすることができたんじゃないかと思います。
確かに空気を読んで、動きを読んで、次の一手を決めてゆく、
その一手が自分の以前の考えと真っ向から対する考えでも良い、
こんな柳のようなしなやかさは激動期の日本には必要だったのかも知れません。

確かにポリシーがないように見受けられますが、
「どんな手を使ってでも日本を近代国家にする」という一点については、強い意志が感じられます。


ここまで、伊藤博文論を展開してきましたが、それ以外でもこの時代は10年20年のスパンで世の中が劇的に変化していったようで、読んでてワクワクしました。
そう、ちょっと前まで、鉱物絡みで藤田組(同和鉱業)や久原房之助日本鉱業創始者)を調べてました。ちょうどこのネタと今回のネタがシンクロしてて面白い!

来月、4月10日にはこの日本政治史の試験があります。それまでさらにこの明治から終戦までの歴史にどっぷり浸りたいと思います。


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