ロバのコラム

『ロバのティールーム 』 https://www.robanotearoom.com のコラムです。

八ヶ岳山行2010<2>オーレン小屋→硫黄岳

前回の続きです。

八ヶ岳山行2010<1>オーレン小屋まで
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20100921



<今回の山行の全ルート図>


オーレン小屋で一泊した後、この日はいよいよ南八ヶ岳縦走です。
オーレン小屋からのルート図は以下の通り。



ルート図<オーレン小屋→夏沢峠→硫黄岳→硫黄岳山荘>


5時に起床、5時半の朝ご飯を食べて、なんやかんやで6時半前にはオーレン小屋を出発することができました。昨日寝たのも9時前だし、山に来ると規則正しい生活になっていいねぇ。



<オーレン小屋を出発!>


オーレン小屋から硫黄岳へは、赤岩ノ頭経由と、夏沢峠経由の2つのルートがあります。ぼくらは夏沢峠を経由するルートを選択しました。
赤岩ノ頭へのルートはオーレン小屋前の沢を渡り南へ向かいますが、夏沢峠への道は沢沿いを東進します。すぐに根石岳への右への分岐がありましたが、ぼくらは直進しました。



<オーレン小屋から夏沢峠への登り>

登山道は、樹林帯の中を突き進みます。湿気が多いのか、樹林の下はコケでビッシリです。このコケの感じがいい味出してるんだよなぁ〜。樹林帯の登山道としては相当美しい部類の道だなぁ〜ってのがぼくの印象。



<オーレン小屋から夏沢峠への登り。前のパーティに追いついた。>


しばらく歩くと、前のパーティの追いつきました。このパーティは女性ばかりのパーティだったな。なんだか山も若い女の子(といっても30歳前後だろうが)が多くなったみたいだな。このパーティの方たちは違ったが(スカートではなく、キュロットはいていた)、いわゆる「山ガール」スタイルのお姉様方に時々出会いました。

↓山ガールの典型スタイル
http://matome.naver.jp/odai/2126801577269122601

山ガールってのはスパッツにスカートはいてるんだよなぁ〜。よくあれで寒くないなぁ〜、って思う。真冬に生足でミニスカートはいている女子高生と同じように、実用性よりファッション重視なのだろうか?

山ガールに押されてか、中高年ハイカーが減った気もします。たぶん、いわゆる山好きの中高年層が歳取りすぎちゃって、山に登れなくなってきてるのかな・・・。そのうち山は若者の場所に回帰していくかもしれません。

30分も歩くと、稜線(夏沢峠)に到達しました。



<夏沢峠のヒュッテ夏沢。この山小屋は学校登山専用で7月のみの営業らしい。>


ほとんどノンストップで上がってきたので、夏沢峠で水とかりんとうで一休み。
みんな割と体力あるみたいで、誰もブレーキになっていません。さい先いいです。



<夏沢峠で休憩。うしろは根石岳


一休み後、いよいよ硫黄岳への登りにかかります。はじめは土の道でしたが、途中からガレ道に・・・。



<夏沢峠から硫黄岳へ。道はいつの間にかガレ道に>



<夏沢峠から硫黄岳へ。ガレ道を登る一行>


そうそう、15年ぶりの本格山登りで変わったことのひとつに「トレッキングポール」というものがある。
↑の写真で先頭の彼が持っているやつ、そうストックね。

トレッキングポールの使い方
http://www.wild1.co.jp/academy/howto/trekking/tech_gear/trekking_pole.php

こんなの昔なかったよなぁ。金剛杖じゃん!
って最初は思っていたんだが(登る前に山雑誌なんかで最近のトレンドを見て知ったんだが)、山雑誌でもネットの情報でも「これ、絶対必要!」って書いてあるんだわ。登る前にかなり迷ったんだが、結局買わなかったなぁ〜。だって高いんだもん。
で、今回の山行終わってみての感想は、やっぱり必要ない。
荷物になるだけ、との結論でした。



<夏沢峠から硫黄岳へ。高度をかせぐと、北に天狗岳が見えてきた>


どんどん高度をかせいでいくと、やがて背後に夏沢峠のさらに北にある天狗岳が見えてきました。この山も一回のぼってみたいんだよなぁ〜。容貌が特徴的ですわな。まあ、オーレン小屋から1時間もかからないんだが…



<夏沢峠から硫黄岳へ。硫黄岳の爆裂火口>


やがて登山道は、硫黄岳の爆裂火口の縁を伝っていきます。硫黄岳は比較的最近まで(といっても1万年はたっているだろうが)火山活動をしていたんでしょうな。
そうそう、八ヶ岳ってのは、火山ですよ。大昔に活動をやめてしまっているので、死火山(最近はこの用語はつかわないな)と言ってもいいでしょうな。たぶん、大昔は富士山みたいな成層火山だったかもしれません。それが噴火活動終了後、風雨による浸食で今の形に…。逆に言えば、富士山も何万年かすれば八ヶ岳みたいになるかもねぇ〜。
それが証拠に、八ヶ岳火山岩でできている。登っていてもあるのは安山岩を主体とする中性の火山岩、それと鉄分がブリードした赤茶けた溶岩類。当然、安山岩の中に石基が見られ、前日に採集した角閃石(輝石かも)が含まれています(確認しました)。ただ、前日の産地のものと違い、顕微鏡サイズです。



<夏沢峠から硫黄岳へ。もうすぐ頂上だ!>


爆裂火口まで来ると、硫黄岳山頂はもうすぐです。ケルンの数が増えてきました。
背景には根石岳、その後ろに天狗岳、更にその後ろに蓼科山と北横岳が見えます。これらは通称「北ヤツ」と呼ばれ(「北八ヶ岳」の略称)、ぼくらがこれから進む南八ヶ岳とは区別されます。その境目は先ほど通った夏沢峠です。



<硫黄岳頂上より。左から横岳、赤岳、中岳(小ピーク)、阿弥陀岳。中岳のうしろに権現岳が見える。>


そして、とうとう硫黄岳山頂に到着。風があったちょっと寒いな。
硫黄岳は他の南八ヶ岳の山々と異なり、頂上がだだっ広い、こんもりした山です。
硫黄岳山頂からは今日これから行く山々、横岳、赤岳、阿弥陀岳(可能であれば)を見渡すことができます。



<硫黄岳山頂の道標>


硫黄岳の山頂の道標、実は今回が初めての訪問じゃないんです、はい。
遡ること24年前、中学3年生だったボクは叔父と2人でこの硫黄岳の頂に立っているんです。その時の写真がこれ↓



<今から24年前、15歳(中3の夏休み)の時に叔父さんと一緒に登ったときの硫黄岳の道標。>


右の眠そうなチューボーが24年前のオイラ、隣は叔父さんです。叔父さん、今年還暦だから、当時は…36歳!!今のオイラより若かったのかぁ〜!
月日の経つのは早いもの…。いまやおいらも2児の父…。
当時真っ白に塗られていた道標は、ひょっとして上の現在の写真にある道標の朽ち果てた棒なのかな?



<硫黄岳山頂にて、兄弟で記念撮影。向かって右がボクです。>


そして、赤岳をバックに弟とツーショットを撮りました。弟との泊まりがけ山行は15年ぶりだからなぁ〜。



<硫黄岳山頂より北側の風景。手前は天狗岳、左奥が蓼科山、右の平らな山は北横岳かな。>


硫黄岳で休憩しようと思ったが、あまりに風が強く、火をおこすのが大変なので、硫黄岳山荘まで移動することにしました。


つづく
八ヶ岳山行2010<3>硫黄岳→横岳
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20100926

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