ロバのコラム

『ロバのティールーム 』 https://www.robanotearoom.com のコラムです。

東京ミネラルショー2010 <1>

先週の土曜日、東京ミネラルショーに行って来ました。

東京ミネラルショー2010
http://www.tokyomineralshow.com/

この東京ミネラルショーは要は鉱物の展示即売会で、年に1度、池袋のサンシャインで行われます。今年で、19回目なんだねぇ〜
最近では毎年行っていますが、確か90年台に石に没頭していたときも何度か行ったな。
この東京ミネラルショーの他にも何度か鉱物の展示即売会があるんですが、ぼくはこのショーと6月のミネラルマーケットには欠かさず行くようにしています。
その時の日記はこれ↓


<過去の日記>
2010/6/7 ミネラルマーケットに行ってきた
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20100607

2009/12/14 札束採集@東京ミネラルショー
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20091214

2009/6/8 札束採集に行ってきた
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20090608


昨年のミネラルショーでは入口の入場券売り場ですごく並んので、今年は早めに行こうと午前中には家を出発、会場のサンシャインシティ文化会館には12時頃到着しました。



去年の様子(1)



去年の様子(2)


↑去年はこんな感じでしたが(どうも14時頃行ったみたいだね、憶えとらんが…)
さすがに12時だと混んでませんな。



今年の入場券売り場の様子


しか〜し、一歩、会場に足を踏み入れると…



会場内の様子


ひょえ〜、人だらけ…
午後はもっとたいへんだろうなぁ…


会場スペースは広いのだが、結局、ぼくが目指すブースは数店舗です。
このミネラルショーは、ボクみたいな自然科学的・地学的視点から標本を買い求める客の他に、家に飾るための石を買い求める客、パワーストーン・癒し系の客など様々な客層が訪れます。
で、ボクのような標本を買い求める客は割と少数なので、その客層をターゲットにしたお店は少ないのです。総店舗数200程度に対して、数店舗ってとこです。
標本売りの店舗では、標本には絶対必要な産地を記したラベルを付けた品を売っているわけですが、それ以外の客層をターゲットにした店ではラベルがない。そう、産地がわからないのです。産地がわからないというのは、自然科学系の客にとっては死活問題です。
ただお店によっては、こちらから要望すればラベルを出してくる店もあるので、ラベルを持ち合わせている店かそうじゃないかを見極める目が必要です。
まあ、海外からの出店者は、比較的ラベルを持ち合わせているようです。


入場前にパンフレットを見て、目当ての標本屋がどこにブースを出しているか、目星をつけました。だいたい各店舗とも去年と同じ所に陣取っていました。


http://www.tokyomineralshow.com/2010MAP.html
ミネラルショーの会場図


とりあえず、益富地学会館、ミネラルマーケット、大江理工社は外せないので、そのブースに向かいます。上のリンク先の図でいうと、139、140、141あたり。この3つのブースが毎年並んでいるので、便利だ。



益富地学会館のブース


益富地学会館
http://www.masutomi.or.jp/


益富地学会館は日本を代表する鉱物研究家であった益富寿之助博士が創設した鉱物・地学のための団体で、日本でも由緒ある鉱物団体です。京都にあります。


益富寿之助博士
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%8A%E5%AF%8C%E5%A3%BD%E4%B9%8B%E5%8A%A9
http://www.masutomi.or.jp/masutomikazunosuke.htm


東の桜井欽一博士と西の益富寿之助博士が、鉱物界の2大アマチュア鉱物研究家でしょうか。


桜井欽一博士
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AB%BB%E4%BA%95%E6%AC%BD%E4%B8%80


鉱物界はアマチュアのレベルが非常に高くて、さらに大学や研究者との連携も良くて、非常に学問としては健全な分野かな。天文学や考古学もそうみたいですが・・・。


話がそれました。


さて、益富地学会館のブースでは、いま鉱物界で話題沸騰の「千葉石」が売られていました。
この「千葉石」は千葉県南房総市で世界で初めて発見された新鉱物で、この鉱物は石英の中に有機物(アルカン:メタン、エタン、プロパン、ブタンなど)が包摂されている包摂化合物というカテゴリーにはいります。


包摂化合物
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88


千葉石
http://mineralhunters.web.fc2.com/chibasekiei10_11.html
http://twitpic.com/3ev60q


↑さすがに新鉱物だし、見た目が地味(真っ白)なんで、ググってもこれぐらいしか出てこないなぁ


この千葉石は、要は石英SiO2の結晶格子間にメタンなどの有機物(CnHn+2で表現される、いわゆるアルカンね、高校1年の化学で出てくるから、知っている人も多いと思うが・・・)が高充填されているっていう石で、この高充填により結晶格子がゆがんだっつうか、普通の石英(二酸化珪素)の結晶形と異なる形になったわけです。
ブースの人と話したところ、この石を割っていると、メタン臭がかなりするとのこと。なんでも1cm3(だったかな?)あたり2リットル(たぶん気体換算だが)のアルカンが含まれているらしい。
それだけ高充填だとどんな構造してるんだろうなぁ〜。臨界状態なんだろうか・・・。


※追記
発見者関係筋からの情報によると、割ると臭いがするというのは全くのガセだそうです。たしかにメタンは無臭のはずだったが、他の含有有機物が臭いの元なのかと勝手に解釈したが、そうじゃないみたいだねぇ〜。この話をその筋の方に話したら、いい加減なことを言うもんだ、と呆れているようでした。


で、この千葉石、話の種に1個買おうかなぁ〜、と思ったんだが、爪の先ぐらいの大きさで3000円とか、凄く高い!さらに結晶形がよくわかる比較的まともな3cm角ぐらいの標本になると3万円!とかの値札が付いてる!
こりゃ、無理だな・・・。買うんだったら3万円クラスが欲しいが、とにかく見た目が地味で、いまいち触手が伸びない・・・。
確かに結晶の形は面白いんだが・・・、石英だしねぇ〜
・・・、結局、買わないことにしました。


ここで、石友のカズさんとお会いしたのですが、カズさんはしっかり千葉石を購入していました。


益富さんの隣のミネラルマーケットさんでは、「鉱物コレクション入門」の著者である伊藤・高橋両氏が出展していらっしゃいました。ぼくが久良沢鉱山のテフロ石を手にして眺めていたら、高橋さんが説明してくださいました。テフロ石にしてはちょっと変わった色だったので・・・。
結局、買いませんでしたが・・・


とりあえず、ここから目星をつけた場所を一回りすることにして、次にコムロミネラルへ。


http://www.tokyomineralshow.com/2010MAP.html
ミネラルショーの会場図(再掲)


コムロミネラルは会場図でいうと、出口近くのB19、A16。今年は国内標本がほとんど出てなかったな・・・。去年は国内標本の結構いいのがあったんだが・・・。
ここでは、ボリビア産の錫石を購入(半額だったんで・・・)。



錫石 SnO2 (Vicoco Capaz, Bolivia)


錫石
http://www.weblio.jp/content/%E9%8C%AB%E7%9F%B3
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8C%AB%E7%9F%B3


そして次に、上記地図のエリアLの一番左上端にある227、228ブースのジャパンミネラルズに向かいました。去年はここで国内標本を3個1000円セールをしてました。今年も一応やっていましたが、去年の5分の1ほどの量。結局3個1000円の箱からは何も買わなかったなぁ。
結局ここでは、大分県木浦鉱山のスコロド石を買いました。結構、このスコロド石って好きなんだよねぇ、おいら。鉄の砒酸塩です。



スコロド石 Fe3+AsO4・2H2O (大分県木浦鉱山) ※左端の濃い青の結晶部分


スコロド石
http://www.weblio.jp/content/%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%89%E7%9F%B3
http://www.ne.jp/asahi/lapis/fluorite/gallery5/355scorod.html


そのあと、クリスタルワールド、セマム・ジャパンなどを行きつつ、会場を一回り。
途中、アメリカの出展者が出していたエジリンがキレイだったので、思わず購入。
まあ、通りかかったときに、結晶が目にはいちゃったって感じかな・・・。
比較的安かったし・・・。
上記地図でいうと、111、112あたりだったので、パンフレットによると、「Kristalle」っていう名の出展者のようだ。カリフォルニアの業者なんだねぇ。



エジリン NaFe3+Si2O6 (Mt Malosa, Zomba District, Malawi)


エジリン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B8%E3%83%AA%E3%83%B3%E8%BC%9D%E7%9F%B3
http://www.weblio.jp/content/%E3%82%A8%E3%82%B8%E3%83%AA%E3%83%B3%E8%BC%9D%E7%9F%B3
http://mineralstreet.heteml.jp/Aegirine.html


会場内をウロウロしていると、ある海外ブースでガラスケースに高価そうな標本が並べて飾られていた。その中には、ウン万円の高値の鉱物がずらりとならんでいた。
その中に、3万円の値札がついた「硫黄」の結晶が…
この硫黄の結晶がちっちゃいんだけど、キレイでね〜
すげ〜、結晶もしっかりしてるし…。でもこんな高いもんは買えないので、心の中に未練を残しつつその場を立ち去りました。

そろそろ一通り会場内を探索して、小腹が空いてきたので、お昼をとることに…
まだ3階の会場には行っていないのだが、3階はお昼のあとにしました。


<長くなったので、一旦ここで切ります>


つづく
東京ミネラルショー2010 <2>
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20101223

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