「千葉石」の続報
昨日に引き続き、「千葉石」の続報です。
2011/2/16ブログ 「千葉石」ついに新鉱物に登録!
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20110216
一昨日までは、デリケートな話なので、隠密で動いていたのですが、
すでに記者発表もされてしまったので、このネタについては解禁ですな。
関係筋の情報としては、
すでに役所(千葉県)より地主に連絡が行って産地保護の方向で動き出しているようなので、
もうこの産地には行けそうにありません。
たぶん今頃、立入禁止の札が立ち、人が常駐しているかも知れません(それ以前は採石場跡の荒地でした)。
脱法する気はさらさらないので(当たり前だ)、もうこの産地とはお別れです(ちょっとさみしい)。
来月あたりに、いちご狩りのついでにちょっと現地を遠目で見てこようかな…
まあ、それはそれとして…
採集できないとはいえどもこの発見は世界的に見て大発見なわけで…
現にネイチャーが論文を掲載しました。
ネイチャーの論文↓
http://www.nature.com/ncomms/journal/v2/n2/abs/ncomms1196.html
まあ、英文なので読むのかったるいですが
(論文の全文を頂きました。ぼくもちょっと斜め読みした、いまのとこ、アブストラクトと結晶構造の記載の部分を拾い読みしただけ)、
ググったらほぼネイチャー論文を要約したサイトを見つけたので、掲載しておきます。
●「天然ガスを含む新鉱物『千葉石』」 産総研ホームページ↓
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20110216/pr20110216.html
●「NIMSら、千葉県内で採取した鉱物が天然ガスを含む新鉱物であることを発表」 マイコミジャーナル
http://journal.mycom.co.jp/news/2011/02/17/002/
これらを読むと、含有しているのはメタン、エタン、プロパンの他に2-メチルプロパン(イソブタン)らしいので、アルカンではないですな(イソブタンは直鎖じゃないからね)。昨日の日記じゃアルカンって書いていたような気がするので、撤回です。いずれにしても、CnH2n+2でn=1〜4ってのは一応あってる。
二酸化ケイ素の三次元構造の隙間にスポッって入り込めるような分子ですので、まあそんなに大きな分子ははいりこめないわけで、nがぐらいが3か4ぐらいが限度なんでしょう。まあn=4の場合には直鎖では入りきらんので、側鎖でn=4のイソブタンという形で結晶格子に入り込んだのだと思う。
なかなか興味深い論文です。
プレート境界の島弧である日本列島でしか発見されないような極めてめずらしい石です。なんか、こう考えると、世界的に見ても日本列島ってホントに特殊な島なんだなぁ〜とつくづく思います。火山が多いのも地震が多いのも仕方ないです。こんなへんてこりんな石が採れる、この海溝の縁(へり)のプレートのかんなクズでできた島に生まれて、ぼくはとっても幸せです。
そしてこんなへんてこりんな石の発見を目の前で見ることができて、ぼくは幸せです。
このネタはまだまだ続きます。
続きは追々…
(実はこのネタで、ここんとこずっと躁状態ですwww)
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