ロバのコラム

『ロバのティールーム 』 https://www.robanotearoom.com のコラムです。

東北地方太平洋沖地震と震源分布

未曾有の大地震から2週間あまり経過しました。
この大地震で自然の巨大の力にはぼくらはあまりに無力でした。
ぼくらはプレートの上にへはりついて生きていることを痛感しました


この震災で被害に遭われた方、被災された方にお見舞い申し上げます。
またこの震災で亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。

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今回の大地震について、地学バカのぼくもいろいろ考えてみました。
まず、東北地方太平洋沖地震の前後の東北・関東地方の震源分布を並べてみました。


データは気象庁のホームページより…
http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/daily_map/index.html


このページは日常的に日々の日本周辺の地震震源分布を気象庁が発表しているものです。ぼくはずっと前から時々覗いていて、いつどこでどんな地震が起きているのかチェックしています。今回の地震はどうだったのか覗いてみたところ、いや、これまたスゴイ状況。


地震当日のの東北・関東地方の震源分布のページはここ↓
http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/daily_map/sendai/20110311.shtml
http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/daily_map/tokyo/20110311.shtml


○の大きさはマグニチュード(大きい方がでかい)、
色は震源の深さ(赤い方が浅く、青い方が深い)を表しています。


まずは東北地方から(3/8〜3/16 <震災日は3/11>)









地震の2日前くらいから、実は今回の大地震の予兆とも思える地震三陸沖で起こっていたことがわかります。
地震からしばらくは、深度50キロよりも浅く、しかもマグニチュードが大きい地震が多発しています(M6以上も○が目立つ)。
地震後3日目ぐらいからM5程度で、深さが50キロ前後の地震が増えてきています。


そして関東地方(3/8〜3/16 <震災日は3/11>)









ここでは、福島県から茨城県沖・千葉県東方沖の震源の分布がよくわかります。
傾向としては、やはり大地震直後はM6クラスで深度が50キロより浅い地震が目立ちます。
ただ、余震の減衰度合いが東北地方より遅く見受けられます。結構長い間、M5クラスの地震が頻発しているようです。
また、今回の大地震に触発された内陸部の断層型地震が中部山岳(北アルプス)、長野県北東部、富士山近辺で起こっていることがわかります。内陸のいずれの地震も赤丸(深さ20キロ未満)ですので、プレート型ではないことがよくわかります。


ただ、関東平野の東部当たりに緑の○(深さ60キロ程度)がありますが、これは、プレート型の地震であることが推察されます。このあたりには、太平洋プレート(またはフィリピン海プレート)の破片である関東フラグメントによるものだと思われます。
今回の大地震で、それぞれのプレートにかかる応力バランスが崩れてたぶんそれぞれのプレートが位置調整をしているのでしょう…。


関東フラグメントの論文
<関東直下の新しいプレート構造の提案 遠田晋次 産総研
http://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/nr20050610/nr20050610.html#a
<首都圏直下に潜むプレートの断片と地震発生 遠田晋次 産総研
http://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/nr20081010/nr20081010.html


以上、わたしの独断と偏見による今回の地震についての戯言分析でした。
ちなみにわたしは地学好きのただの化学系技術屋のオヤジですので、この分析について責任もてませんので、あしからず。

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