ロバのコラム

『ロバのティールーム 』 https://www.robanotearoom.com のコラムです。

北アルプス燕岳山行<その2> 美ヶ原→中房温泉

前回のつづきです。

前回の日記
北アルプス燕岳山行<その1>」
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20110721

前回は美ヶ原まで…
美ヶ原を後にした僕らは、同行者であるマサさんを拾うために松本駅へ向かいました。
美ヶ原の山本小屋駐車場から旧ビーナスラインを南下し、扉峠へ。
扉峠からは旧やなぎこば林道(いまはアザレアラインというらしい、昔(やなぎこば林道時代)は有料道だったが今は無料。)を通って三城牧場(「さんじろぼくじょう」と読みます)に下りました。

三城牧場は美ヶ原の松本側の麓にある牧場で、美ヶ原登山の登山口でもあります。
小学5年生の時(当時ボクは松本に住んでいた)、学校行事の林間学校でこの三城牧場から美ヶ原に登山したのを思い出します。だいたい2時間ぐらいかかったかなぁ…。懐かしい思い出だ…

三城牧場からは薄川沿いにぐんぐん下り、あっという間に松本市街へ…。
11時ちょっと前に松本駅に到着する列車にマサさんは乗ってくると言うことで、ちょっくら時間があったので、カタクラモールへ。
このカタクラモール、かの絹財閥の片倉工業が作ったショッピングモールで、ボクが松本に住んでいた昭和50年代後半に出来たんだよなぁ…。
当時はわざわざ出かけていきました。いまではすっかり古くなってしまったが…



松本市内のカタクラモール(繊維財閥・片倉工業の敷地に立つモール)>


松本カタクラモール
http://www.katakura.co.jp/activities/kaihatu/matumoto_km.htm
片倉工業
http://www.katakura.co.jp/index.htm
片倉工業の沿革
http://www.katakura.co.jp/company/charter.htm


片倉財閥も戦前はかなりブイブイ言わせていたはずなんだが、戦後はすっかり落ちぶれたんですな…
ニッチツ財閥といい、藤田財閥といい、オイラはこういう落ちぶれた財閥になぜかシンパシーを感じてしまう。


カタクラモールをフラフラした後、頃合いを見て松本駅に向かい、マサさんを拾いました。
また11時台だし、どうせ大阪組はそうそうは着かんだろうと言うことで、
松本城近くの古本屋に寄ってもらおうとクルマをそっち方面に向けたら、弟のけいたいに着信が…
な、なんと大阪組はすでに豊科インターに到達したそうな、は、はやい…
大阪組はそのまま穂高町の大王わさび園に向かうとのこと。


松本市内でブラブラする予定だったが、大阪組の予想外の早い到着に予定変更、集結地である穂高蕎麦屋に向かうことにしました。


↓寄ろうと思った古本屋(松本城の形をしている)
<青翰堂書店>
http://homepage2.nifty.com/seikando/
http://ruruaizu.blog61.fc2.com/blog-entry-1502.html


↑数年前に立ち寄ったときに、松本の地域資料(地学関連も含む)があったんだよねぇ…
だからちょっと寄ってみたいな、と思ったのだ。


松本駅からお城のほうに向かっていたのでそのまま北上し、
松本深志高校の横を通って、アルプス公園を捲くようにして走り、
平瀬口で奈良井川梓川を渡り、豊科に入りました。
豊科を突き抜け、北アルプスの麓を走る農道を経て、
集合場所である蕎麦屋に到着、大阪組と合流しました。



<東日本隊と西日本隊の集合場所の蕎麦屋



<東西部隊で会食>


東京組は、オイラ、オイラの弟、イトコのよっちゃん、松本で拾った弟の仕事仲間マサさんの計4名。
大阪組は、弟の大阪時代の飲み悪友のT田くん、後輩のT見くんの2名。
これで、計6名。
他に大阪組として、夜にY田くんが合流するそうな。
Y田くんはなんと、今日は東京の帝国ホテルで結婚式に参列しているそうで、結婚式が終わった足で特急あずさに乗ってやってくるそうな。
な、なんちゅうやっちゃ!しかも山登り初めてという…。


昼食後、2台のクルマは山道に入り、ほどなく登山口である中房温泉・有明荘に到着。まだ3時前です。



<中房温泉の有明荘(今日の宿)>


中房温泉は高瀬川の支流である中房川の上流にある温泉です。


ちなみに高瀬川信濃川の支流で、
明科で上高地から流れてくる梓川と合流して犀川となり、
さらに犀川武田信玄上杉謙信の合戦で有名な川中島千曲川と合流して信濃川となり、
新潟で日本海に注ぎます。


中房温泉は花崗岩地帯のまっただ中にある温泉、熱源はおそらく冷え切っていない花崗岩のだと思われます。
花崗岩はマグマが地中奥深くでゆっくり冷えて固まった岩石ですが、出来た後もなかなか冷え切らないらしく、余熱をだいぶもっています。
そこで花崗岩地帯の近くにはこういったタイプの温泉がみられます。
代表的なものは有馬温泉で、有馬温泉の熱源は六甲山の花崗岩だと言われています。
日本の温泉の多くは火山のすぐ近くにある温泉(草津蔵王など・・・)なので、花崗岩由来の温泉は比較的めずらしいかもしれません。
ちなみに翌日登る燕岳も花崗岩で出来ています。


中房温泉(wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%88%BF%E6%B8%A9%E6%B3%89


↓泊まったのはこっち…
有明
http://www.enzanso.co.jp/ariake/


チェックインを済ませて、とりあえず部屋に・・・。
部屋は二部屋で、オイラたち親族グループと、弟友人グループに別れました。
みなさんお疲れのようで、入室後はみんなゴロ寝となりました。
ぼくもしばらくゴロッとしてましたが(行きに山道でナビをしてたら、酔ってしまったので)、
1時間後、ぬくっと起き出して、散歩にでかけました。


有明荘から中房川に沿った道をのぼり、上流に向かいます。
15分ほど歩くと、明日の登山の登山口にたどりつきました。



<合戦尾根の登山口(明日の朝、登り始める場所)>


明日はここから登り始めます。立ち寄り温泉もあるんだねぇ・・・
こちらは中房温泉が運営しているようです。


登山口前に橋があり、そこから河原に下りてみました。
地図によると、中房川の支流のようです。



<中房川の支流(花崗岩地帯なので河原が真っ白)>


さすが花崗岩地帯の川、レキが花崗岩だらけのため、河原が真っ白です。



<中房川支流河原の花崗岩レキ>


よ〜くみると、長石や石英、黒雲母が巨晶化したいわゆるペグマタイトのレキが所々にみられました。
ひとしきり散歩をして、有明荘に戻りました。


ちなみに泊まった有明荘の部屋はこんな感じ↓



有明荘の部屋>


まあ普通の旅館風ですわなぁ・・・
国民宿舎ですから…
ただ運営は燕山荘グループが委託されていて、クオリティは高いです

さて、明日はいよいよ登山です。

つづく


北アルプス燕岳山行<その3> 中房温泉→合戦小屋」
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20110730