ロバのコラム

『ロバのティールーム 』 https://www.robanotearoom.com のコラムです。

北アルプス燕岳山行<その3> 中房温泉→合戦小屋

前回のつづきです。


前回の日記
北アルプス燕岳山行<その2> 美ヶ原→中房温泉」
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20110727


いよいよ登山の話の本題です。


5時には出発したいということで、朝4時に起床。
これには深い訳が…
実はメンバーのうちのマサさんが、この日のうちに下山して帰らなければならないから…
奥様から1泊以上の単独行動(遊び)は許されていないとのことで、午後2時のバスに乗りたいらしい。逆算すると、午前10時には稜線についていないと、マサさんは尾根登りの途中で下山する羽目になる。
これではあんまりにも可愛そうだ、ということで、5時出発となりました。


4時台だと宿の朝飯は間に合わないので、前日に作ってもらったお弁当を宿の談話室にて食べました。



<中房温泉・有明荘食堂にて弁当を食べる(午前4時台)>


そして、5時過ぎには皆さん準備完了。
まあ予定通りってとこでしょうか。



<中房温泉有明荘前(出発前)よっちゃん(左)とマサさん(右)>



有明荘前にて(よっちゃん(左)とT見くん(右))>


↓今回の登山の山域はこんなイメージ



<燕岳周辺山域図>


図中の右端の中房温泉から合戦尾根を登り(西に向かい)、燕岳の載る南北に延びる稜線にたどり着きます。
この南北の稜線は大天井岳(「おてんしょだけ」と読みます)を経て、西岳で西へ折れて、槍ヶ岳へ向かいます。この燕岳から槍ヶ岳へ至るコースは「表銀座コース」と呼ばれていて、槍ヶ岳へ行くもっともポピュラーなコースです。大天井岳から南東へ延びる稜線は常念山脈と呼ばれていて、常念岳蝶ヶ岳を経て、上高地に至ります。
一方、表銀座コースの谷(高瀬川)を隔てた西側に延びる稜線は「裏銀座コース」と呼ばれ、これも槍ヶ岳へ至るルートの一つになっています。

さて、じゃあ山域図をさらに拡大してみて…
燕岳の周辺図をば…↓



<燕岳周辺図>


中房温泉から西へ、合戦尾根を登ります。
合戦尾根の中間には合戦小屋という茶屋があります。
中房温泉から合戦小屋までは3時間の登り、合戦小屋から稜線の燕山荘までは1時間強、
合戦小屋は合戦尾根の中間よりやや稜線よりですが、
中房温泉と合戦小屋の標高差が約1000mに対して、合戦小屋と燕山荘の標高差は約300m、
この差がコースタイムの差に如術に反映されています。
なお、図中に「ケーブル」とあるのは、ふもとから合戦小屋まで荷物を上げるためのケーブルで、人は乗れないのであしからず…。

さて、さらに拡大して、中房温泉から合戦小屋までの図を示します↓



<中房温泉→合戦小屋間の地図>


合戦尾根は、徒歩30分〜1時間おきにベンチが置かれていて、非常によく整備されています。
そういう意味では休憩のタイミングが取りやすいいいコースなのかもしれません。

有明荘を出発して、まずは舗装道路を15分ほど歩いて、登山口を目指します。
登山口までは皆の足取りは軽く、特に今回初めて山登りのするY田くんはよゆ〜しゃきしゃき、ビックマウスですwww。
しかし、このビックマウスも登山口まででした…

Y田くんは、たぶん今回最年少(といっても20代後半)なんだが、ちょ〜高学歴で(旧帝大のT大法学部卒らしいwww)ちょっと世の中をナメた感があるくせに、見たくれはこち亀両さん風なので、弟の職場仲間の間では愛すべきキャラとなっている男です。
この男、この登山の前日に東京で結婚式に出席し(※注:大阪の人間です)、礼服のまま特急あずさに乗って、松本で大糸線鈍行に乗り換え、穂高駅からタクシーで有明荘にやってきたのです。しかも到着時間は午後10時!
登山も初めてで、道具も今回の山行にあわせて彼の先輩(弟の飲み友達の)のT田くんに言われるがママに買いそろえたそうな。そして、パッケージも開かないまま、ザックに詰め、T田くんの車に預けて、今回の山行に参加しています。
この時点で、「山をナメている」レッテルを貼られ、しかも彼の愛すべき挑発的な発言も相成って、彼は今朝からいじられまくりですwww

有明荘から車道を15分ほど歩いて、登山口に到着しました。
この時点でのT田くんの発言
「登山道ってこんなかんじなんすかねぇ、これなら余裕でいけそうっすねぇ〜」
この30分後、彼は寡黙な人となりましたwww


<登山口前で集合写真(一番左ボーダーシャツがオイラ)>

登山口でのスナップです。
上の段左端から、T田くん、T見くん、
真ん中の段左端から、オイラ、オイラの弟、マサさん、イトコのよっちゃん、
一番下の蹲踞しているのが噂のY田くんです。

最年長はマサさんでぼくの1コ上(昭和45年生まれ)、次がオイラ(昭和46年生まれ)、
その次あたりが弟とT田くん(30代半ば)、
そしてT見くん、よっちゃん、Y田くんが20代後半、
こんな感じの年齢構成のグループです。

ちなみに写真の左端に赤いスパッツをつけたヒトが写っていますが、たぶんうちらの後ろを通り抜けたどっかのおばちゃんが写り込んだようです。

登山届を提出して、いよいよ登山開始です。


<合戦尾根登り、取り付いてすぐ急登>

合戦尾根は、とりついていきなりの急登です。階段がずっとつづきます。
Y田くんはもちろん、ど頭からのハード行程に一同、息が上がります。


<合戦尾根登り、先行するT見くん>

それでもT見くんは足取りが速く、先頭をつき進みます。その後をオイラが続きます。
最初のランドマークの第1ベンチまでは30分ほどの登り、樹林帯の中なのであまり風景が変わらず進んだ感がしません。こういう登山道が一番疲れるんだよねぇ・・・
少し斜度が和らいだところで、第一ベンチに到着。


<第1ベンチ>

第一ベンチには水場があるのですが、沢までも降りなきゃいけないので、面倒だったのでパス。
小休止のあと、すぐに出発です。
このころからY田くんの体調に変調が・・・(このあと、Y田くんはキジウチにいく羽目になります)


<合戦尾根登り、不明植物(キノコかな?)>

登っている途中で、キノコか植物かわからんせいぶつに遭遇。帰宅後、図鑑で調べてもわからない・・・。知っている人がいたら教えてくらはい・・・

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mixiボイスで聞いてみたら、マイミクで石友のTheophくんが教えてくれました。
「ギンリュウソウ」というそうです。

ギンリュウソウ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%82%BD%E3%82%A6

ギンリュウソウは腐生植物といって、菌類に寄生している「菌従属栄養植物」だそうな。
おもろいなぁ〜!

腐生植物
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%85%90%E7%94%9F%E6%A4%8D%E7%89%A9

葉緑素は持っていないか持っていてもほとんどなく、光合成はほとんどしないそうな。
こうなると植物の概念がなんだかわからなくなりますな。
このネタでブログ一本書けるなぁ!余力があったら、このネタで書こう!

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第一ベンチを通過しても、同じような感じの樹林帯の急登の登山道がつづきます。
飽きてきた頃にようやく、第二ベンチ。



<第二ベンチ>



<※参考:中房温泉→合戦小屋間の地図>


休み休み登っていたので、第二ベンチは通過です。



<合戦尾根登り、木立の隙間から>


第二ベンチを通過すると、だいぶ木立も空いてきて、
隙間から隣の尾根が見えるようになってきました。
これは合戦尾根の北側の尾根を見たところ。
でも、森林限界はまだまだです。



<合戦尾根登り、弟とイトコのよっちゃん>



<合戦尾根登り、南方を望む>


第三ベンチに近づくと、南側の山々がだいぶ見えてきました。



<第三ベンチ>


ようやく第三ベンチに…。
ここで距離的には中房温泉→燕山荘の中間地点なんだねぇ。
まあ標高的にはだいぶ稼いでいるので、コースタイム的にはだいぶ来ています。



<※参考:中房温泉→合戦小屋間の地図>



<麓から合戦小屋まで荷揚げする索道(ケーブル)>


第三ベンチをすぎると、北側に荷揚げ用のケーブルが見えます。
人間を乗せるわけではないので、あんな高いところを通ってます。
あれじゃ、怖くて人は乗れないな…



<富士見ベンチ>



<富士見ベンチで小休止>


富士見ベンチまで来ました。
合戦小屋はもうすぐです。
暑すぎてみんなバテてます。ホント暑すぎますwww



<合戦尾根登り、森林限界近くまで来た>


だいぶ立木がへってきて、進行方向左側を見るとこんな感じに隣の尾根(稜線?)が見えます。
奥に見える山は大天井岳かな?



<※参考:中房温泉→合戦小屋間の地図>


やがて、「合戦小屋まであと7分」の看板が現れ、ひょっこりと合戦小屋に到着しました。



<合戦小屋>



<合戦小屋前にて休憩>


合戦小屋では大休止。
まだまだ合戦尾根は続きます。
稜線上の燕山荘まではここから1時間。
なかなか手強い尾根です。


つづく

http://d.hatena.ne.jp/damascus/20110801