ロバのコラム

『ロバのティールーム 』 https://www.robanotearoom.com のコラムです。

北アルプス燕岳山行<その8> 燕山荘より燕岳へ

前回のつづきです。

前回の日記
北アルプス燕岳山行<その7> 燕山荘の朝」
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20110905


燕山荘を後にして、燕岳と北燕岳の山頂を目指します。
当初の予定では、北燕岳とその先の東沢岳との間にある鞍部、「東沢乗越」(「ひがしざわのっこし」と読みます)から、中房川本流を下って中房温泉に下山する予定だったのですが、
前の日記に書いたように東沢乗越〜中房川上部の残雪が多く道がはっきりしないという燕山荘スタッフからの情報により、このコースを諦めたため、燕山荘から燕岳・北燕岳間はピストン(ヤマヤ用語で「頂上往復」のこと)となりました。


頂上に行ってまた小屋に戻ってくるので、装備は皆様々、身ひとつの者もあればフル装備の者も・・・
燕岳頂上までは30分ほどですが、ぼくはフル装備で出発です。


歩き出してすぐに膝に違和感が・・・、つうか痛い・・・
昨日歩きすぎたせいか、岩かなんかにぶつけたせいか・・・
たぶん後者かと思われます。


だましだまし歩いて、頂上を目指します。



<イルカ岩>


燕岳名物のイルカ岩を通過。
燕岳周辺は花崗岩による奇岩地帯です。
花崗岩は固いんだが、花崗岩中にある様々な鉱物の大きな結晶の境目からボロボロと風化していきます。
また鉱物にも風化しやすいのと風化しにくいのがあるんで(含有鉱物の熱膨張率に差がある)、
その岩の中にどんな鉱物が含まれているかで、浸食のスピードが違います。
そのためこのような奇岩地帯になるんでしょうねぇ・・・。
この他にもいろんな形の岩があります。


<参考>
花崗岩wiki (「花崗岩の風化」の項を参照)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B1%E5%B4%97%E5%B2%A9
深成岩の特性とその見方
http://www.jisuberi-kyokai.or.jp/ganseki/fujita/fujita.html



<燕岳を目指す一行>



<燕岳を目指す一行(樹林帯)>



燕岳の肩のあたりから東の空を眺めてみました。
日はすっかり昇っています。
写真を撮ったら、まるで水墨画のように撮れました。↓



<東の空を見る>


後ろを振り返ると、燕山荘が見えました。



<登山路より燕山荘方面を見る>



<燕岳山頂方面>



<同行者T見くんと燕岳>



燕岳直下の肩のあたりから、パノラマ写真を撮ってみました。


<燕岳直下からのパノラマ>

山の名前を写真に落とし込んでみるとこんな感じ↓



<パノラマの左側(注釈つき)>


<パノラマの右側(注釈つき)>


燕岳の最後のひと登り、まあ大した登りじゃないですか・・・



<燕岳に登る一行>


そして山頂に到着。



<燕岳山頂より燕山荘方面(南方面)>



<燕岳山頂の三角点>


頂上より南方面、槍・大天井岳方面を眺めます。
高曇りですが、一応見える範囲の山は全て見えてるみたいですな。


<燕岳山頂より槍・大天井方面>


<燕岳山頂より槍・大天井方面(注釈付き)>


燕岳から南へ延びる稜線は、大天井岳で南稜線と西稜線に別れます。
南稜線(写真中の左方面)はそのまま東天井岳〜横通岳〜常念岳と通じる、いわゆる「常念山脈」と呼ばれ、この常念山脈松本盆地から一番よく見える山脈なわけです。
一方、西稜線(写真中の右方面)はそのまま東鎌尾根となり槍ヶ岳へ通じています。いわゆる表銀座コースです。
穂高岳槍ヶ岳から南に延びる槍・穂高の稜線上にあります。


そして、前日に目指した大天井岳方面のアップ↓


<燕岳山頂より大天井方面>


<燕岳山頂より大天井方面(注釈付き)>


昨日歩いた道のりを落とし込むとこんな感じ↑
赤の点線が歩こうとした登山路(青はその他の登山路)、
オレンジの点が最終到達点です。
かなりいいとこまで歩いてはいるが、最後の大天井岳山頂までの標高差は結構あるよね。
オレンジの点のとこから山頂まで往復したら、やっぱり2時間コースですな。
こう見ても、頑張ってせいぜい赤い点線と青い点線との分岐点あたりが限界だったでしょう。



<燕岳山頂より槍・穂高方面>


同じく、燕岳山頂から槍・穂高方面のアップ写真を撮りました。
すでに何度も注釈付きの写真を掲載しているので、注釈付き写真は載せませんが、
左から、槍ヶ岳、大喰岳、中岳、南岳、大キレット北穂高岳涸沢岳、奧穂高岳前穂高岳の稜線が全て見えました。



<燕岳山頂より北燕岳方面>


燕岳山頂より北燕岳方面を眺めます。ホントは北燕岳のさらに向こうの東沢乗越まで行くのが当初の目的でしたが、北燕までです。北燕まで行く目的は、同行者T田くんのちょうちょの撮影のため・・・。北燕周辺は蝶の宝庫だそうな・・・。


<燕岳山頂より北燕岳・立山・剱方面>


<燕岳山頂より北燕岳・立山・剱方面(注釈付き)>


北燕岳の向こうに立山連峰剱岳が見えていました。燕山荘からは燕岳が邪魔して剱岳が見えていませんでしたが、ここまでくるとよく見えます。
剱にものぼってみたいものです。


<燕岳山頂より鹿島槍・後立山方面>


そして、鹿島槍ヶ岳後立山連峰方面の山並みももちろん山頂からよく見えました。

燕岳山頂は登山客で混んでいましたので(特に高校生のグループがちょっとウザかった)、サッサと後にして、北燕岳を目指します。

途中にコマクサ畑がありました。
登山者が踏んで絶滅しかけたコマクサ群生地を、人間が植えて再生しているのでまさに「畑」ですwww



北燕岳周辺のコマクサ畑>



<コマクサ畑のコマクサ>


北燕岳の肩まできて、頂上に行く組とお花畑散策組でわかれることになりました・・・
が・・・、お花畑散策組は蝶愛好家のT田氏だけで、他のメンバーはピークハントへ。



北燕岳山頂より蝶の撮影を行う同行者を見る>


山頂より、下のお花畑で蝶の撮影に勤しむT田くんを冷やかしましたwww
そして僕らは山頂で記念撮影・・・


まずは弟とのツーショット。

北燕岳山頂にて(左:おとうと、右:オイラ)>


そしてイトコも入れて我がファミリーのスリーショット。

北燕岳山頂にて(左:おとうと、右:オイラ、後ろ:イトコ)>


そして、山頂より餓鬼岳方面…

北燕岳山頂より餓鬼岳方面(北方面)>


本当はあっちに行きたかったんだけど、道が荒れてるんじゃしょうがないよなぁ…


そして南方面…

北燕岳山頂より燕山荘方面(南方面)>


燕山荘は燕岳(手前のピーク)に隠れてみえなくなってますな。



北燕岳山頂より槍ヶ岳

そして、北燕岳からもお約束通りの槍ヶ岳が見えましたwww

しばらく風景を堪能し、燕山荘へ戻りました。



<燕直下の登山道を下る>



<下山途中で記念撮影>


弟とその友人たちが同じ職場同士ってことで記念撮影www



<燕山荘に向けて下る>


燕山荘への下山途中、白っぽい花崗岩とは違う黒っぽい石を見つけました。
帯状に入っているので、どうも貫入帯のようです。



<下山途中でも見かけた貫入帯>



花崗岩に貫入した岩石の破片>


最初は堆積岩かなと思ったんですが、こっちの黒い石のほうが貫入しているように見えるので、火成岩かもしれません。
堆積岩なら貫入している方が花崗岩になるので、逆になりますから・・・
堆積岩はその性質上、貫入はしないけど、まあ造山運動の過程で見かけ上貫入したような形になったのかもしれません。
あまり時間がなかったので(みんなが先に行っちゃったんで)、ちゃんと観察できませんでした・・・。

さらに下り、イルカ岩まできました。


<反対側からイルカ岩を見る>


そして燕山荘に到着。



<燕山荘前の道標>



<山を下るボッカの方>


燕山荘前から合戦小屋方面に廃ペットボトルを担いで下る小屋の人(いわゆるボッカ)が下りていくのを見かけました。ご苦労様です。

小屋の前に戻って、ティータイム。
稜線上の最後のひとときを楽しみます。



<燕山荘前にティータイム>



<燕山荘前にて(下山前)>



<燕山荘より下山開始>


そして…
名残惜しいが下山です・・・