秩父鉱山六助探索行_2011秋 その2
前回の続きです。
秩父鉱山六助探索行_2011秋 その1
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20111216
沢を登り切ったところに立派な石垣が見えてきました。
なんか、ここ、来たことあるぞ・・・
石垣を登ると、平場が広がっています。
あ、ここは・・・
そうだ、以前登ったときに「鉱山事務所跡」だと思った場所だ。
以前は右側の沢を詰めて、そのあと左にトラバースしてこの場所に来たのでした。
以前来たときには「鉱山事務所跡」だと思っていたが、よく観察するとこれは「浴場跡」だね。
このコンクリートの版は浴槽の残骸ではないかなぁ。
ボイラーの残骸もあるし・・・
<キリンビールの瓶(文字は右から書いてある)>
ビール瓶がこの辺りに散らばっているというのも、浴場跡ならうなずける。
鉱山事務所にはビール瓶は散らばっていないよなぁ・・・。
「浴場兼娯楽場」ってとこでしょうな。
ということは、この鉱山集落には少なくとも2カ所の浴場があったことになりますな。
この平場の上部に大規模伐採地が広がっています。
この平場より上部に鉱山施設や坑道があるか気になっていたので、ちょっと登ってみることにしました。伐採地だから見通しがいいから気になるんだよねぇ・・・。
見通しのよい伐採地の沢をあがっていくと、右上の方の斜面に微妙に坑口っぽい雰囲気のある場所を見つけたので、確認のため斜面を登っていきました。
そしたら案の定、坑口が・・・
でも、坑口としては小さめ、
斜面のへばりつくようにある感じから、試掘のための坑か、はたまた小規模にやっていた感じか・・・。ズリもないしねぇ・・・
この坑の上にもうひとつ坑っぽい場所があったのだが、同じような感じだろうし斜面もきつかったので確認はしませんでした。
試掘坑?跡から沢の上流方向を眺めると、ほとんど上武国境の稜線まできていました。さすがにこの上には鉱山施設や坑口、ズリはなさそうです。六助探査もここでピリオドでしょうか。
日も傾きかけてきたので、先ほどの浴場跡まで戻ります。
ここから以前来た道を通り、下山を開始しました。
谷底の道は暗くて厭なので、山腹に付いた鉱山道を通って下山です。
鉱山道を伝っていくと、以前見つけた浴場跡にたどり着きます。
まあ、特に変わっていませんな、当たり前だわな・・・
こちらはすぐに浴場跡だとわかる形状をしています。
先ほどの浴場と、この浴場と、この辺りには少なくとも2個所の浴場があったようですね。
ここから先のトレイルは以前の日記にも書いているので省略します。
とにかく日が沈む前に先にすすまにゃいかんので、さっさと下っていきます。
秋の探索は日が短いのが欠点です。
それと、落ち葉・・・
冬も間近の11月下旬ともなると、ごらんのように落ち葉の吹きだまりが至る所にできています。
この手の吹きだまりのやっかいなところは、踏み込んだときに地面がどこにあるのかわからないところ。落ち葉厚が20cmぐらいのつもりで踏み込んだら、50cm厚ぐらいだったときには落とし穴に墜ちた気分になります。そのまま地面に着地した衝撃が足首とか膝・腰に伝わると、怪我します。実際↑の吹きだまりで不意打ちを食らい、膝がカックンとなって、脚を痛めました・・・。
貯鉱場への取り付き点あたりまで来たとき、ふと尾根上を見上げると・・・
施設跡らしき構造物が・・・
はて、いままで気がつかなかったな・・・
貯鉱場が下から見えているのかと思ったが、どうも雰囲気が違う。コンクリート構造物の感じから
索道の土台か何かかなぁ?
登って確認したかったが時間がないので、次回にお預けです(おいおい、まだ登りに行く気かよ!www)
そして最後のシメに貯鉱場へ。
探索ばかりに付き合わせて、採集がおざなりになってしまってごめんね、てるてるくん。
ここだけは一応案内しておきましょう(ロクなもん無いけど・・・www)。
ここも何度もきてるが、もうそろそろダメだね。
もう黄鉄鉱と閃亜鉛鉱しかなくなっちゃった・・・
昔(20年くらい前)は車骨鉱とか白鉛鉱がわんさか採れたらしいが、今は昔の話じゃて・・・
かくいう硫化鉱物も長年の風雨で白い粉ふいてます。
ダメダメです。
景色がいいので、お弁当食べるにはもってこいの場所なんだけどね。
ぼくはもうここでの採集はいいので、まわりを探索することにしました。
以前から気になっていた貯鉱場背面の尾根に登ってみました。
地形的な感じから、なんとなく施設跡がありそうな雰囲気なんだよねぇ
貯鉱場背面の軌道跡と思われる平場から、ズルズルとすべりながら、斜面を登り、尾根上に到達すると・・・
なんやらコンクリートの版の跡と石垣積みがあったが、それ以上の遺構は発見できず・・・
場所的にいって尾根の反対側の谷に坑口があってもいいのだが(事前の図上調査で当たりはつけていたのだが)、それも見あたらず・・・。ただ、崩落したような跡はあったので、その崩落部分に坑口があったのかもしれません。
日暮れ間近なので、調査を切り上げ、採集をしているてるてる氏のもとに戻りました。
そしてここで、タイムオーバー・・・
夕闇に背中を押されるように下山しましたとさ。おしまい。