北ア山行2013夏(5)<そして、焼岳へ>
前回の続きです。
<前回の日記>
北ア山行2013夏(4)<岳沢小屋より・・・>
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20130921
「もうこうなったら上高地でダラダラしたい組」と岳沢分岐で別れた「やっぱり山登りしたい組」の一行4名は、焼岳の登山口である田代橋を目指します。
田代橋は河童橋の下流、大正池の上流にある橋です。
とりあえずトイレに行っておこうと、河童橋に寄ります。
<河童橋付近より岳沢方向>
河童橋付近から見た岳沢方面はホント雲の中です。
ちょうど雲の下端部分が岳沢小屋かな。
このまま雲の中を突っ込んで登っていったら、雨の中、ビチョビチョになりながらの岩登りになっていたでしょう。前穂登頂の中止は賢明な判断だったのかもしれません。
<河童橋>
そして、河童橋。この辺りはぜんぜん降水なしです。
オナカが空いたので、とりあえず河童橋横にあるみやげ物屋で大きな豚まんを買ってほおばりました。結果的に、この豚まんを食べたことは正解でしたが、それは後になってからわかること。
河童橋を後にして、梓川の北岸を下流に向かって歩きます。
そのうち、ウェストン園地に到着。
ウェストン園地には、上高地を世に知らしめた英国人宣教師ウォルター・ウェストンの碑があります。
ここを初めて訪れたのは、たぶん小学3年生ぐらいのときかなぁ
その当時は松本に住んでいて、親戚が松本の家に来ると、よく上高地の案内して連れて行ったものです。
なつかしい、ウェストン碑。
もう30年ぶりぐらいかもしれない・・・
ウォルター・ウェストン wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3
ウェストン碑(上高地公式ウェブサイト)
http://www.kamikochi.or.jp/spots/weston-relief/
ウェストン碑のあたりからは、六百山や霞沢岳がきれいに見えます。
左のピークが六百山、右のピークが霞沢岳です。
六百山より霞沢岳の方が低く見えますが、実際には霞沢岳のほうが高いです。
霞沢岳のほうが奧にあるためそう見えるのかもしれません。
ほどなく、田代橋が見え、そして焼岳の登山口へ・・・
一応、登山届は出しますよ。
出しておけば遭難したときに救助を待つ時間が短くなりますからね。
時刻はまだ8時半です。
<登山口で見つけたモグラの死骸>
登山口のところでモグラの死骸を発見。
標高1500mの上高地にモグラはいるんだねぇ・・・
調べてみると、どうもヒメヒミズという種で、標高の高いところにしかいない珍しい種みたいだ。
ヒメヒミズ(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%A1%E3%83%92%E3%83%9F%E3%82%BA#.E8.BF.91.E7.B8.81.E7.A8.AE
ヒメヒミズの写真
http://img01.naganoblog.jp/usr/beagle/himehimizu33.jpg
http://beagle.naganoblog.jp/e581386.html
いやぁ、モグラもいろんな種類いるんですねぇ。
勉強になりました。
モグラ(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%B0%E3%83%A9
ボクはアズマモグラとコウベモグラしか知らなかったので、目から鱗です。
東のアズマモグラと西のコウベモグラの勢力争いの話は有名ですからねぇ
勢力争いの関する記事
http://www.tanteifile.com/tamashii/scoop/0305/18_01/index.html
焼岳は活火山ですからねぇ。こういう注意書きの看板もあります。
いつまた噴火するかもわからんですが、
まあここ10年ぐらいはおとなしいようなので、大丈夫でしょうか・・・
登山口で1枚スナップを・・・
後ろのカップルも焼岳登山者です。
<上高地〜焼岳の地図>
歩き始めてしばらくは平らな樹林帯が続きます。
そして、道は西へと進路を変え、稜線への登りへ・・・。
大規模に浸食する峰沢の横を登っていきます。
樹林の間から崩れた土砂を押さえるための砂防ダムが見えます。
焼岳は梓川をせき止めて大正池をつくり、そしていま、この沢からの土砂で大正池は埋まりつつありますからね。これが自然の営みというものですな。
<ガリー浸食>
峰沢の浸食は典型的なガリー浸食ですな。
ガリー浸食とは、水の集中により川底がどんどん削られ溝ができた地形を指します。
ガリー浸食のできる場所は地盤が強固でない証拠。
このあたりは焼岳の火山灰や火山堆積物が降り積もっただけですから、雨水によってすぐに浸食されちゃうんでしょうね。
谷が深いです・・・
ガリー浸食
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%AA_(%E5%9C%B0%E5%BD%A2)
峰沢のガリー浸食にそって、樹林帯を登っていきます。
このころには雨が本降りになり、もうビチョビチョです。
雨具を着ようかとも思ったのですが、あまりにも暑くて着る気がおきないので、
雨具の下だけ履いて上はTシャツ1枚で歩くことにしました。替えの衣服もあるし・・・
もちろんザックカバーは付けましたよ。
雨が本降りで、ちょっと心がくじけそうになって、引き返そうか、とかつぶやいているうちに、正面に岩壁が見えてきました。
そろそろ樹林帯から脱出か・・・
岩壁に近づくと、大ハシゴが・・・
よく見ると、ハシゴを2連にしてつないでいるもののようです。
当然のごとくハシゴ付近では渋滞が発生しています。
しばらく待たされましたが、まあ、難なくクリア
これぐらいのハシゴはたいしたことないですな、垂直じゃないし・・・
これが完全に垂直だとちょっと怖いんだけど、たぶん垂直から10度ぐらい寝ています。
<ハシゴ付近から上高地方面>
ハシゴの上は森林限界。見通しがよくなってきました。
そして雨も小降りになった感じ・・・
森林限界からは上高地の方向がよく見えました。
霞沢岳・六百山は雲のなかですが・・・
降りてきた登山者に聞くと、ここから焼岳小屋までは30分くらいらしい。
営業しているのか聞くと、ちゃんと営業しているそうな・・・、まずは一安心。
峰沢上部のガリー浸食はすさまじいですね。
植生している表土の緑の部分と、浸食谷の焦げ茶の部分とのコントラストがすごい!
拡大してみると、堆積物の断面がよくわかりますねぇ
表土のすぐしたの部分に大きな礫がありますねぇ
火砕流でもおきたのでしょうか?
これから登る焼岳頂上方面を望むと、ガスの中・・・
果たして大丈夫なのかな?
まあ、展望はきたいできないでしょうけど・・・
森林限界地帯をさらに上り詰めると、稜線鞍部に到着。
ここが新中尾峠かな?
さらにそこから、ちょっと下った森林の中に目指す焼岳小屋がありました。
時刻はまだ午前10時前、今日はスタートがはやいからねぇ・・・
とりあえず焼岳小屋の軒下を借りて一休みしました。
つづく
北ア山行2013夏(6)<焼岳山頂へ>
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20131010