ロバのコラム

『ロバのティールーム 』 https://www.robanotearoom.com のコラムです。

黒部峡谷トロッコ列車1

前回のつづきです。

<前回の日記>
小川温泉元湯 <家族旅行2013夏 その3>
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20130827



富山県東部の地図>


家族旅行2日目(実は、ここまで書いてまだ2日目ですw)、
今日は黒部峡谷鉄道トロッコ列車に乗って、宇奈月温泉から終点の欅平まで行き、
そして宇奈月温泉まで戻ってきます。
宇奈月温泉から欅平までは1時間20分の道のり、その往復です。
さらにその日のうちに長野県の小谷温泉までたどり着かなきゃ行けない・・・

つうことで、8時半には小川温泉をチェックアウトして、宇奈月温泉に向かいます。
まあ子連れ旅なの実際にはそんなうまくいかず、出発したのは8時50分でした。
小川温泉から宇奈月温泉までは10キロ程度、まあ車で30分もあれば走れます。
お盆休みの時期ですので、あらかじめ10時発のトロッコ列車の席を予約してあります。


黒部峡谷鉄道
http://www.kurotetu.co.jp/
http://www.kurotetu.co.jp/ensen/


そして、9時半には宇奈月温泉駅に到着しました。



黒部峡谷鉄道宇奈月駅


宇奈月駅前でチケットの引き替えに行ったり、トイレ行ったりしているうちに、ウチの娘どもが記念写真屋のお兄ちゃん達につかまり、なんやかんやで記念撮影することに・・・
シャッター押してあげるとかいいながら、彼らのカメラでも写真撮って、1000円ぐらいで売るやつ。
まあ記念だからいいか、って感じで、撮ってもらったんだが意外といい出来で満足しました。



宇奈月駅前で記念撮影>


そして、いよいよトロッコ列車に乗車です。



トロッコ列車の車両(宇奈月駅にて)>



トロッコ列車の軌道(特殊狭軌)>


トロッコ列車の軌道は、狭軌の部類のなかでもとりわけ狭い特殊狭軌と呼ばれるものです。
レールとレールの幅が2フィート6インチ(「ニブロク」と呼ばれる)、762mmです。
JR在来線の軌道幅も狭軌の部類に入りますが、
こちらは3フィート6インチ(だから「サブロク」と呼ばれる)、1067mmです。
つまり、このトロッコ列車の軌道は、JR在来線よりも30cmせまいことになります。
これは、トンネルの掘削量を減らすためだったようです。

黒部峡谷鉄道はもともとは黒部川電源開発のために敷設された資材運搬用の軌道で、1923年(大正12年)には着手されたようです。
そして、難工事の末、軌道は欅平のさらに先の仙人谷まで敷設されていますが、観光用に利用されているのは途中の欅平までです。
今回はこの欅平まで行ってきます。


黒部峡谷鉄道についてのwiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E9%83%A8%E5%B3%A1%E8%B0%B7%E9%89%84%E9%81%93

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E9%83%A8%E5%B3%A1%E8%B0%B7%E9%89%84%E9%81%93%E6%9C%AC%E7%B7%9A


実は仙人谷から先も地下トンネルは続いていて、このトンネルは黒部ダムまで行っています。しかし仙人谷から黒部ダムまでの地下トンネルには軌道がひかれておらず、道路です。

この黒部渓谷の電源開発の歴史はホントにおもしろくて、いくらでも書きたいのですが、書いていたらどんどん長くなっちゃうので、興味のある人は以下の本でも読んで下さいな。


ダムと鉄道―一大事業の裏側にいつも列車が走っていた (交通新聞社新書)
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%80%E3%83%A0%E3%81%A8%E9%89%84%E9%81%93%E2%80%95%E4%B8%80%E5%A4%A7%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E3%81%AE%E8%A3%8F%E5%81%B4%E3%81%AB%E3%81%84%E3%81%A4%E3%82%82%E5%88%97%E8%BB%8A%E3%81%8C%E8%B5%B0%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F-%E4%BA%A4%E9%80%9A%E6%96%B0%E8%81%9E%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E6%AD%A6%E7%94%B0-%E5%85%83%E7%A7%80/dp/4330257114


高熱隧道 (新潮文庫)
http://www.amazon.co.jp/%E9%AB%98%E7%86%B1%E9%9A%A7%E9%81%93-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%90%89%E6%9D%91-%E6%98%AD/dp/4101117039


とにかく、雪崩で作業員宿舎ごと吹っ飛んでたり、熱湯が噴き出して作業員が死んだり、もう人柱の山です。
黒部の太陽」(黒四ダムの開発)なんてかわいいもんですよ、この戦前の工事に比べたら・・・


本題にもどります。


宇奈月駅を出発するとほどなく、中世ヨーロッパの砦みたいのが見えてきます。
これ、宇奈月ダムの水を取るための取水塔なんですねぇ



<取水塔(新柳河原発電所)>


そして、仏石という、なんか仏さんに似た石の横を通過し・・・



<仏石(右のほうの岩に赤いちゃんちゃんこ着せているところ)>


〜ここまでのガイドは以下参照〜
黒部渓谷鉄道、エリア案内(宇奈月
http://www.kurotetu.co.jp/ensen/unaduki/

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トロッコ列車は、だんだん山奥に入っていきます。



<沿線の様子>


インフラ、特に橋梁が昭和初期の風情がたっぷりなのがいいですねぇ
特に見所なのはこの後曳橋らしい
あまりの谷の深さに、ひとは後に曳いたから名前がついたそうな・・・



<水色の如何にも昭和初期的な後曳橋>



<後曳橋にさしかかる、下は黒部峡谷、深い・・・>


この先の猫又までは1926年(昭和2年)には開通しているようなので、
その時期に架橋されたんでしょうね。
こういう大正〜昭和初期の鉄橋はボクの大好物ですw
最近のコンクリート橋はなんか味気ないですよね・・・

単線なので、ときどきこうやって、上り列車とすれ違うために複線区間で待ち合わせします。
以下は黒薙駅かな?



<上りのトロッコ列車とすれ違い>


そして、ようやく出し平ダム(だしだいらだむ)が見えてきました。



出し平ダム



出し平ダム


出し平ダム
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%BA%E3%81%97%E5%B9%B3%E3%83%80%E3%83%A0


このダムは1985年(昭和60年)に竣工されたそうな。
意外と新しいんですねぇ
wikiによると「ダム湖の堆砂を排出する「排砂ゲート」を備えた日本最初のダム」だそうですよ。
へぇ〜、そうなんだ・・・


そして、出し平ダムの背後の山を出六峰というらしい



<出六峰(だしろっぽう)>

そしていよいよ、列車は黒部第二発電所にやってきました。


黒部川第二発電所が見えてきた>

↑行きはうまく写真撮れなかったんで、帰りに撮った写真も載せますね
これ↓


黒部川第二発電所


この発電所は1936年(昭和11年)に運用開始した古い発電所で、
この建屋は山口文象という建築家によるデザインだそうな。
いかにもモダニズム的でスッキリしたフォルムの建屋ですねぇ

黒部川第二発電所
http://www.suiryoku.com/gallery/toyama/kuro2/kuro2.html
http://homepage2.nifty.com/datey/bunzo/kurobe2-hothokuriku.htm



黒部川第二発電所周辺の黒部川


とまあ、ここまでだいたい1時間ぐらいトロッコ列車に乗ってきたんですけど、やっぱり、長いせいか、子供たちは飽きて寝に入ってしまいました。
ちょっと長すぎますね、小学校に上がる前の子たちには・・・


〜ここまでのガイドは以下参照〜
黒部渓谷鉄道、エリア案内(黒薙)
http://www.kurotetu.co.jp/ensen/kuronagi/

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そして、列車は鐘釣駅へ・・・
ここまで宇奈月からちょうど1時間、当初ここまで乗ってこの駅で下車して戻ってこようかとも思ったんですが、折角乗るので、まあ終点まで行こうっつうことになって、今回は通過です。
川原の露天風呂とかあって面白そうなんですけどね・・・


<鐘釣駅>


鐘釣駅をすぎると、終点欅平まではあともうちょっと・・・
万年雪を通過すると、目と鼻の先です。



<黒部万年雪>


そして、宇奈月から1時間20分、11時半前にようやく終点、欅平駅に到着しました。



欅平駅に到着>


欅平駅のホームからは黒部川第三発電所の建屋が見えました。



黒部川第三発電所の建屋>


つづく

黒部峡谷トロッコ列車2<家族旅行2013夏 その5>
http://d.hatena.ne.jp/damascus/20130907